【FSA】 カニのカドミウム対策
FSAは、各種加工工程によりカニみそのカドミウム(Cd)量を低減する方法を探るためのワーキンググループを組織した。このグループでは、カニ加工産業向けのCd低減のためのガイダンスを作成する予定である。さらに、FSAはカニみそに含まれるCd量に関する調査結果を公表した。カニみそ由来のCd量は、全体のCd暴露量への寄与率は低いものの、検体の中には高濃度に含むものも存在することから懸念されている。
*ポイント: 日本でCdというとコメが問題になりますが、食品中濃度ではコメよりもカニみそ、貝類及び頭足類の内臓の方が高い傾向があります。しかしながら、Cdは長期暴露が問題なので、たまにしか食べないカニみそよりも、毎日暴露するような喫煙やコメの方が食品安全上の問題としては遙かに重要というわけです。ちなみに、食品安全委員会の評価では、1日20本の喫煙で約1~2μgのCdを体内に摂取している推定されています。
【EFSA】 食品のリスク及びベネフィットについてのコミュニケーションを促すFoodRisCプロジェクト
欧州の消費者は、食品のリスク及びベネフィットについての膨大な量の、いくつかは矛盾するあるいは混乱すると認識される情報にしばしば圧倒されている。2013年9月12日、「食品関連問題についてのコミュニケーションの新しい課題」についてのFoodRisC/EFSA会合において、FoodRisCプロジェクトの研究成果が発表された。FoodRisCプロジェクトは、食品に関連する問題を効果的に普及するためコミュニケーターを援助し、明確なメッセージにより消費者の理解を促進することを目的としたEU出資の3年半のプロジェクトである。
*ポイント: この研究成果で興味深い点は、現在の食品についてのコミュニケーションにおいて、テレビや新聞といった伝統メディアに加えてソーシャルメディア(Twitter、Facebook、動画や画像共有サイト等)の影響が非常に大きいと捉えているところです。ソーシャルメディアを監視することで、消費者が食品関連の問題について、今何を問題だと考え、どのように認識しているかを知り、消費者が議論している内容が間違っていないかを確認することを薦めています。さらに、もし間違った情報が流れていた場合には、その間違った情報のみがウェブ上にいつまでも残らないように修正していかなければならないとも指摘しています。
もうひとつ興味深い点は、食品のリスクについての専門家と消費者の認識のギャップを述べているところです。このプロジェクトの調査では、専門家や食品関係者はしばしば食品のリスクを「必ずしも避けることができるとは限らない」事態と認識しているのに対し、消費者はしばしば食品のリスクを「避けられるし、避けるべきだ」と感じていると報告しています。この認識のギャップを埋め、リスク対策とはリスクをなくす(避ける)ことではなく許容できる程度まで小さくすることであると消費者へ伝えていくことが、消費者との今後のコミュニケーションで最も重要なことでしょう。 

【FSA】 :Food Standards Agency)英国食品基準庁
【EFSA】 :European Food Safety Authority 欧州食品安全機関 欧州

                                   国立医薬品食品衛生研究所情報