ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)とは

大腸菌や肺炎桿菌などの腸内細菌がこの遺伝子を持つと、多くの抗菌薬が効かなくなる。抗菌薬を効かなくする酵素を作る遺伝子はプラスミドと呼ばれる環状遺伝子にあり、ほかの腸内細菌に簡単にうつりやすいのが特徴で、同じ腸内細菌で病原性の高いサルモネラや赤痢菌などに広がる懸念がある。市中に広がると、抵抗力が落ちていない人でも尿路感染症や肺炎などが起きる危険性がある。

 

 NDM-1 産生株が問題になる理由

このNDM-1は、酵素の活性中心に亜鉛を持つため、メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)に属し、この酵素を産生する菌は、平成21(2009)年に最初に報告されました。これまでに、MBL には、既にIMP-1 やVIM-2 などのタイプが確認され、我が国を含む世界各地の医療環境に広がりつつありますが、それらは、多くは、緑膿菌やアシネトバクターなどで産生され、大腸菌や肺炎桿菌では少数でした。しかし、NDM-1 は、ヒトの腸管に定着しやすい大腸菌や肺炎桿菌において多く見つかるという特徴があり、院内感染症や術後感染症の起因菌としてのみならず、尿路感染症などを引き起こす新型の多剤耐性菌として、今後、市中に広がる可能性も懸念されています。