我々が食べる食品のなかで缶詰などのレトルト食品、またはそれに近い加熱処理をされた食品以外はほとん

 

ど何らかの細菌が付着しています。これは汚染されているといえば言えますが、それが病原微生物でなけれ

 

ば一般的には汚染食品とは言わず、ごく自然な状態であるといえるでしょう。そして、日々の食事の中で、

 

現在我々は毎日少なくても数百万個から数十億個の細菌を食べていることにもなります。戦後の食品衛生は

 

これらの菌を少しでも減らして、限りなく無菌に近づけることでした。そのために各食品製造会社は食品添

 

加物により食品中の細菌類の増殖を抑えることに専念し、その結果多くの保存料や殺菌剤あるいは品質保持

 

剤が開発されました。

 そして、我々が食べる食品のなかの微生物叢つまり微生物の種類は、それらの保存料がグラム陰性桿菌と

言われる大腸菌やサルモネラなどに効果があるように出来ていたため、我々の腸内細菌叢まで影響していた

とも考えられます。

しかし、今では食品添加物に対する消費者の関心が高まり、その結果無添加と言う表示が商品価値を生むよ

うになってきたため、特にコンビニエンスストアーなどでは、弁当や惣菜について添加物を極力減らす方向

で商品開発または物流開発が進んでいます。これは我々消費者にとっても非常に喜ばしい方向性であると思

います。食品の細菌数をコントロールするために、今までは食品添加物である殺菌剤や保存料または品質保

持剤と称する薬品に頼ってきたところが有りますが、それを衛生の基本である温度と時間で解決しようとす

る物流開発は消費者側からも大変期待出来るところです。

当初のコンビニエンスストアーは、食品添加物を使用して、少しでも長い間販売したいという考えでしたが、

今では殆んどのコンビニエンスストアーで採用している、顧客管理も出来るポスシステムにより、消費者が

コンビニエンスストアーと一体化しているため、消費者のサイドで品質管理を考えるようになり、徐々に自

然な食材の提供という方向に変わってきたともいえるでしょう。

無菌食を作ることが目的ではなく、少しでも出来たての食品を消費者に提供しようという発想が我々の食生

活を本当の意味で豊かにするものだと考えられます。

 このコンビニエンスストアーの進化によって、わが国の微生物学的な食品衛生は急激に発展し、微生物学

的には非常にレベルの高い環境を作ったといえます。しかしその製造現場の環境はよくなりましたが、現在

の食中毒のほとんどが原料由来やトイレからの二次汚染であることを考えると、今後の管理課題はこの二点

に集中する必要があるでしょう。

 それによって我々消費者は益々安心安全のコンビニ弁当総菜を購入することが出来るのです。

                               食品・環境安全ネット事務局 池亀公和