数年前までは、HACCPの構築が盛んであり、そこでは基本としてのGMPとい

う言葉が盛んにつかわれていたが、最近ではISO22000などがその次のステップ

になってきたことから、PRPという言葉に変わってきた。

 GMPもPRPもそこでしなければならないことは全く同じであり、食品衛生を

実践するときの基本であるというのはご承知のとおりである。

 しかしながら、HACCPシステムやISO22000最近ではFSSC22000等も加

わり、これらを構築しようと考えるときには、GMPやPRPはついその付属のよ

うに考えられがちである。

 食品衛生を実践するときには、GMPやPRPがメインであって、これがいかに

しっかりと充実しているかが最も重要であるが、いつの間にかHACCPや

ISO22000などの名前に隠れてしまっているのが最近の食品衛生業界での風潮で

はないだろうか。

 HACCPはGMPまたはPRPのなかで最も重要なポイントを徹底的に監視をし

ようというシステムであり、ISO22000ではそのHACCPとそれらを維持管理する

システムと考えることが出来る。

 そこで、このGMP又はPRPの充実については、施設や設備などのハードがし

っかりできていればそれに越したことはないが、食品を取り扱う施設設備は20年

もすれば老朽化してしまうことから、維持管理するためにはどうしてもソフトでそ

れをカバーしなければならない。つまり、HACCPやISO22000を構築する際に最

も考えなければならないことは、GMP又はPRPをいかに充実させるかというこ

とであり、その中でも最も重点を置かなければいけない部分はソフトの充実という

ことが出来る。

 ではソフトの充実とは何かということになるが、これが非常に難しくもありまた

施設によっては簡単なところもある。

 つまり、経営トップから従業員に至るまでのモチベーションに他ならない。

 小生の経験からも、経営トップが声高に食品衛生を話しはしても、それは経営ト

ップとしてごく当たり前のことを声高に話すだけであり、気持ちが伝わってこな

い。そして従業員も同じように声高に食品衛生を口にしながら実行力がなく、結果

としては非常にレベルの低い商品を製造しているという会社を見てきた。

 また、その逆にハードは古く、特に手順書なども充実していないが、トップから

従業員に至るまでのモチベーションは非常に高く、なおかつ大変品質の良い商品を

製造している会社もあった。

 組織のリーダーシップが全てであるといえばそれまでだが、トップを取り巻く管

理職や従業員全ての意識が高ければ、それで食品衛生管理はほぼできているといっ

ても過言ではない。ISO22000を取得しました等といっても食品衛生レベルが低

いと感じる組織に何度か遭遇している。

                                                                         食品・環境安全ネット事務局   池亀 公和