さて、コールドチェーンの最終段階で問題になるのが、最終加工施設での食品の低温管理で

す。 国内はもちろん、遠い海外から低温管理された食品がコールドチェーンによって運ばれ

てきてから、最終加工の段階でその温度管理がなかなかできていないことが良くあります。

 以下の表は、22年度の食中毒原因施設別と、22年度の施設別食中毒患者数の割合です。

このように、原因施設としてもその患者数にしても給食施設を含む飲食店が最も多く、次に仕出

し屋となっています。

 つまりこれは、このような施設における衛生管理が不十分であったともいえると思いますが、

その原因の一つとしてあげられるのが低温管理であると言えるでしょう。

 温度が上がれば微生物は増殖しやすくなるのは、当然のことですが、では、低温管理でどこま

で微生物の増殖が抑えられるのかということが問題となります。 

 下表3.は、牛肉を7℃で保管しておいたときの一般生菌数の推移です。

 このように5日目にはほとんどの肉で5乗を超えてしまいました。低温保存をしていても低温

で発育できる微生物は意外に早く発育していきます。つまり10℃での保管で安心ということは

言えませんし、場合によっては7℃でも安心はできないということになります。

 下表3.は、ある結婚式場の厨房の冷蔵庫です。午前中に原材料の仕込みを行うために冷蔵庫

のドアの開け閉めが激しく、比較的長く開いた状態が続いていました。

 そこで、経時的に温度を測定できる温度計を入れておくことを勧め、出てきたデータがこの通

りでした。

 このようにあっという間に庫内の温度が上がってしまいます。一旦温度が上がってしまうと、

なかなか元の温度には戻りません。

 つまり厨房などの冷蔵庫の温度は、当然何時も設定温度ではなく、かなり高くなっている事を

考慮に入れなければなりません。

 冷蔵庫の温度は10℃以下になっていれば大丈夫だとか、食品は冷蔵庫に入れていれば安全だ

という今までの常識の様なものは変えなければいけません。

 はじめの方で話しました「弁当総菜の衛生規範」や「大量調理施設マニュアル」での冷蔵保管

温度10℃以下という記載が私たちの常識に影響しているかもしれませんね。

表1.

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表2.

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表3.          7℃における食肉の細菌数推移

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表4.            厨房の冷蔵庫温度変化

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                               食品・環境安全ネット事務局  池亀公和