個々の食品をそれぞれ低温で管理することが進んでくると次にはコールドチェーンに発展しま

す。

 現在では、食品の低温管理である、コールドチェーンが私たちの食生活に非常に重要な役割

を果たしています。

 コールドチェーンは、1917年を舞台とした映画で、ジェームスディーンの代表作でもあ

る「エデンの東」では、氷を使った野菜の運送事業をしようとしている父との葛藤がストーリ

ーでした。

ところが、このコールドチェーンという言葉はアメリカにはない言葉でした。

 欧州諸国がアメリカの食料流通体系を視察して、その報告文に使ったのが最初でした。

 我が国にも1960年には、コールドチェーンの考えかたが入ってきて、1965年には、

科学技術庁資源調査会からいわゆる「コールドチェーン勧告」と呼ばれる「食生活の体系的改

善に資する食料流通体系の近代化に関する勧告」が出ました。このときにわが国のコールドチ

ェーンが始ったといわれています。

 この「コールドチェーン勧告」の趣旨は、当時日本人は塩の摂取が非常に多く、そのため高

血圧、脳卒中が多く平均寿命を短くしていました。それは、塩を大量にとる理由が、日本人は

野菜や魚を保存のために塩を大量に使うからだ、従って、アメリカのように低温流通すれば塩

を使わなくてもよく、塩の摂取が少なくなり、平均寿命が伸びると考えたからです。

 したがって、日本もアメリカのように低温流通つまリコールド・チェーンを完備すべきだと

いうのが趣旨です。

今では、私たちの生活の中でコールドチェーンは非常に大きく広がり、食生活を大変豊かにし

てくれております。そして、1955年ごろの塩分摂取量の調査データでは、日本南部で14g

/日、日本北部で26g/日に対してその後は多少の変動はありましたが、現在日本の平均が11

から12 g/日と改善されています。

 しかしこの結果は、1960年ごろから盛んに行われていた減塩運動による影響が大きいのでは

ないかとも考えられます。それにしても、コールドチェーンは、私たちの食生活を充実させてく

れただけではなく安心と安全を保証してくれています。

                                                                         食品・環境安全ネット事務局   池亀 公和