私たちは、日ごろから食品を自然に冷蔵庫に入れて冷やす習慣がありますが、これはいつごろ

から行われるようになったのでしょうか。

 当然、昔は今の様な冷蔵庫なんてなかったはずですね。では、冷蔵をしなくてもその当時は

食中毒など、今のように起こらなかったのでしょうか。実際にはかなり頻繁に食中毒は発生し

ていたようなのですが、少なくとも当時の人たちは、今の私たちよりはずっと免疫機能が充実

していたこともあったようです。つまり、日頃から大量の微生物を摂取している事による免疫

反応といえるかもしれません。

 さて、幕末以前の食品流通は、ほとんどが地産地消であり、比較的その日に獲れた物はその

日のうちに食べてしまうために、さほど冷蔵にしなくてもすんでいたのですが、それが徐々に

遠くまで運ぶようになると、生鮮品は当然冷蔵管理による保存に頼るしかありません。

 江戸時代、加賀藩は夏になると定期的に冬に出来た氷を献上氷として将軍に送っていました

が、その際に、その氷と一緒に日本海の真ダイを運んだという記録があります。

 もちろんこれは、今考える流通といえるようなものではないかもしれませんが、少なくとも

低温流通の奔りといえるかもしれませんね。

 食品の低温管理としては、出来るだけ微生物を増殖させないことが大きな目的である冷蔵管

理と、微生物の増殖を全く止めてしまう冷凍管理とがあります。

 食品の品質を変化させる要因としては、①微生物による作用②食品中の酵素による作用、

③酸化などの化学作用、④乾燥などの物理作用、さらに果実・野菜では、⑤呼吸や蒸散など食

品自体の生理活性作用、が挙げられます。

 このように、低温保存に影響を与えるファクターはたくさんあるわけですが、今回の連載

では、冷蔵と微生物の関係について焦点を当てたいと思います。

つづく                    食品・環境安全ネット事務局 池亀公和